子供の頃から牛乳が嫌いだった私。だけど給食には出てくるし、親にはカルシウムを摂らなきゃいけないからちゃんと飲みなさいって言われてました。でも中には牛乳を飲むとお腹を下すという方もいますよね。そんな牛乳って本当に身体に良いのでしょうか?
今日はそんなカルシウムと牛乳のお話しです。
カルシウムとは
カルシウムは体重の1~2%ほどで、身体の中にもっとも多く存在しているミネラルです。その99%は骨や歯などの硬組織に存在し、残り1%は血液や筋肉、神経などに存在しています。
カルシウムの働き
摂取したカルシウムは小腸で吸収されますが、成人は吸収率が20~30%ほどと言われています。また、活性型ビタミンD、副甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモンなどによって、腸管で吸収され、血液から骨へ沈着、骨から血液へ溶出、尿中への排泄などが制御され、細胞や血液中のカルシウム濃度は一定の数値に保たれています。
骨は約3か月のサイクルで、骨へのカルシウムなどの沈着と溶出を繰り返し、成長期には形成量の方が吸収量より多いので骨量は増加しますが、男性は50代から、女性は閉経後に、吸収量のほうが形成量を上回る為、骨量が減少します。
カルシウムの摂取基準量
食事から摂取するカルシウムの基準量は、吸収率や骨代謝、尿中排泄などを考慮すると、1日の推奨量は成人女性の場合1日650㎎とされています。カルシウムは不足する事で骨や歯が弱くなり、幼児の場合は発達障害が起こる場合があります。不足状態が長期的に続く事で、骨密度の上昇が妨げられて、丈夫な骨が形成できなくなってしまいます。その為、高齢期、特に閉経後の女性は骨粗鬆症が起こりやすくなったり、神経や筋肉の興奮が高まり、筋肉や前人の痙攣が起こります。
ですが、カルシウムは過剰に摂取してしまう事で、高カルシウム血症や軟組織の石灰化、泌尿器系結石などの健康被害を与えてしまう事から、上限量が1日2500㎎と設定されています。また、亜鉛や鉄などの他のミネラルの吸収も妨げてしまう事から、摂取量には注意が必要です。
カルシウムを含む食品
カルシウムを摂取するなら乳製品というイメージが強い方も多いと思いますが、カルシウムは様々な食品にふくまれています。まずはどのような食品に含まれているのか見ていきましょう。
乳製品

カルシウムとたんぱく質を多く含み、吸収率が高い乳製品。牛乳はもちろん、チーズやヨーグルトなどの加工食品も料理する必要が無くそのまま食べる事が出来るので、手軽にカルシウムを摂取する事が出来ます。ですが乳製品には動物性の脂質が含まれているので、肥満や高脂血症の方は摂取量に注意が必要です。
小魚・海藻類
乳製品に比べると吸収率は下がりますが、日本ではなじみが深く、昔からよく食卓に並んでいるカルシウムが小魚や海藻類です。小魚は酢を利用する事でカルシウムの吸収力が上がり、マリネや南蛮漬けなどにすることで、骨まで摂取することが出来るので、食品全体に含まれるカルシウムを取り入れる事が可能です。
また、海藻にはカルシウムの吸収を助けるマグネシウムを含んでいて、低カロリーで食物繊維も摂取できるので、女性にはうれしい食品です。
豆・大豆製品

カルシウムとイソフラボンを含む、骨粗鬆症の方には有効な食品が豆や大豆製品です。畑のお肉と言われていて、植物性のたんぱく質も豊富です。カルシウムの吸収量は低いですが、豆腐や納豆、厚揚げなどの加工品として種類が豊富なので、毎日食べても飽きないのが魅力的です。
野菜
カルシウムの吸収率は低いので、野菜から大量にカルシウムを摂取する事は難しいですが、ビタミンA・C・Kにはカルシウムの吸収力を高める効果があるので、しっかりと摂取する事で生活習慣病の予防にもつながります。野菜の中でも小松菜やチンゲン菜、菜の花などの緑黄色野菜は、比較的カルシウムが多く含まれているので、他のカルシウムの含まれている食品と組み合わせて効率よく摂取していきましょう。
カルシウム摂取に牛乳は良いの?
長い間「健康に良い食品」と言われていて、学校の給食にも出てくる牛乳。ですが最近では本当に健康に良いのか?と言われることも多く聞くようになってきました。その理由を考えてみましょう。

牛乳アレルギー
食物アレルギーの中で、牛乳に対してアレルギー反応を起こす方がいらっしゃいます。このアレルギーの多くは、牛乳タンパクの中に含まれる「カゼイン」が原因です。カゼインは耐熱性があり、加熱したとしてもたんぱく質の構造はあまり変わりません。また、発酵でも成分は分解されにくいので、チーズやヨーグルトなどの加工品の摂取も気を付ける必要があります。
乳糖不耐症
日本人の約8割の人が乳糖不耐症と言われています。乳糖不耐症は、牛乳をはじめ乳製品に含まれている乳糖を分解するための酵素「ラクターゼ」が欠損しているために起こります。乳糖不耐症の人は、乳糖を消化吸収する事が出来ず、小腸を通過し大腸で発酵する事で、お腹がゴロゴロしたり、ハリが出る、下痢などの症状が起きてしまいます。
また、子供の頃は平気だったけれど大人になってからこの症状が起きる方が非常に多いです。その原因が、体内のラクターゼの量になるのですが、一般的に大人になるとこの酵素が減少してしまう為にこの症状が起きやすいと言われています。
偏らずバランスよくが大切
いかがでしたか?
カルシウムを摂取する為に牛乳を飲むという事は、確かに効率よく摂取する事は出来ます。ですが、牛乳が完璧な食品と言い切れない事も事実です。なので、「好きだから」という理由で飲むには良いですが、「カルシウムを摂取する為に」という場合は牛乳や乳製品ばかりを摂取するのではなく、カルシウムを含んだ食品をバランスよく摂取しておくことが大切ですね。
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