ここ数年は「糖質制限」というダイエットをしている方も多く、糖質を減らした分たんぱく質の摂取量を増やしている、筋肉を増やすためにプロテインを飲んでいるという声をよく聞くようになりました。
でも実際にタンパク質って体でどのような働きをしているのか、どんな種類があるのかよく分からない…という方もいますよね。
今日は体にとって重要な働きをしているたんぱく質のお話しです。
タンパク質と身体の関係
人間の身体の15~20%はたんぱく質で出来ています。そしてこのたんぱく質によって、筋肉はもちろん各臓器や肌、髪や爪などを構成し、更には体内のホルモンや酵素、免疫物質などが作られています。
20種類のアミノ酸から構成されている
「アミノ酸」は自然界に500種類ほど存在していると言われています。その中で私たち人間が身体を構成するためのアミノ酸は20種類。身体の中で作ることが出来るものもありますが、9種類は体内で必要量を食事から摂取する必要がある「必須アミノ酸」と言われています。
食事で摂取したたんぱく質は、体の消化酵素によって「ぺプタイド」や「アミノ酸」に変わり、体内に吸収されます。たんぱく質はそれぞれに働きがあり、体の細胞や組織、器官などを作っている「構造たんぱく質」と、酵素や物質を全身に運ぶなど、体内で化学反応に関わる「機能たんぱく質」に大きく分類されます。

タンパク質の必要量
タンパク質の摂取量は年齢や性別などによって変わってきます。厚生労働省が定めているたんぱく質の食事摂取基準によると、40歳女性の場合で必要量は40g、推奨量が50gとされています。
ではどのくらい食事にはたんぱく質が含まれているのでしょうか?
- 魚…まぐろ6切(100g)⇒26.4g
- 肉…豚ヒレ肉(100g)⇒22.7g
- 卵…全卵2個(100g)⇒12.3g
- 豆類…納豆1パック⇒6.6g/木綿豆腐(150g)⇒9.9g
これはあくまでも目安量で、加熱した場合によっても多少異なります。ですが、しっかりと食事をしていればたんぱく質は意外と簡単にとれている事が多いです。
タンパク質が豊富な食品
よく身体を鍛えている人の食事が「ささみと卵とブロッコリー」みたいなイメージってありますよね。ですが、たんぱく質は肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品など様々な食品に含まれていて、バランスよく摂取する事が大切です。
動物性たんぱく質
肉や魚などの動物から摂ることができるたんぱく質の事を「動物性たんぱく質」と言います。動物性たんぱく質には、必須アミノ酸が含まれている為、運動などで使った筋肉を早く修復したい時や、ストレスによって低下した免疫力を回復したい時などに摂取したい食品です。
肉類

鍛えている人はささみ!!というイメージがありますが、たんぱく質の摂取を目標とするのであれば、豚肉・牛肉・鶏肉などどの種類を食べても大丈夫です。豚肉にはビタミンB群が豊富で、鶏肉の場合は脂質が少ない事が魅力的ですね。
牛肉のたんぱく質にはBCAAという人の身体では合成できない栄養素が、赤身は、脂肪の分解を促進するL-カルニチンも含まれています。
魚介類
赤身・白身・青魚などどの種類を食べても、たんぱく質だけではなく良質な脂も一緒に摂ることが出来ます。特にアジやサンマ、イワシなどの青魚にはEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸と言われるオメガ3の脂を摂取する事が出来るのでお勧めですよ。
卵類
卵には人間の身体では作ることが出来ない必須アミノ酸をバランス良く含んでいる食品。カルシウムやビタミン類も含まれていて「完全栄養食」といわれるほど栄養価が高いと言われています。昔はコレステロール値が高い事から1日1個と言われていましたが、近年では平均的な人の場合は食事性コレステロールは動脈を実際に詰まらせるタイプの血中コレステロールにさほど影響は与えないと言われています。
植物性たんぱく質
植物性たんぱく質は、ダイエットなどを行う際に気になる油脂をほとんど含んでいない為、低脂質・低カロリーの食事をしたい時におススメの食品です。
豆類
植物性たんぱく質を多くとる事が出来るのが、豆や大豆などから出来た納豆や豆腐、おから、枝豆、もやしなどの食材です。中でも納豆には、大豆イソフラボンやカルシウム、マグネシウムや鉄分などの栄養素も同時に摂ることが出来ます。
ただし、豆類の場合は糖質が高いグリンピースやそら豆、ひよこ豆、小豆の水煮などもある為、摂取量には気を付ける事が大切です。
プロテイン

プロテインと聞くと、体を鍛えている人が飲んでいるものというイメージがある方も多いと思いますが、「プロテイン」とは「タンパク質」を英語訳したものです。この様に言うと、普段の食事でたんぱく質が不足している時はプロテインを飲んだらいい?と思う方もいると思います。
確かに不足している栄養素をサプリなどで補う事は悪い事ではありません。ですが、プロテインは人工的に作られたたんぱく質。過剰摂取をしすぎると腎機能や肝機能の低下につながる可能性があると言われています。その為、ハードな運動をして傷ついた筋繊維を早く修復し強く太くしたいという方には有効ですが、普通の生活をしている方なら、食事でのたんぱく質で十分必要量は摂取出来ますよ。
タンパク質は筋肉だけのものではない
いかがでしたか?タンパク質が身体では色々な働きをしているという事が分かりましたね。筋肉を付けるためにたんぱく質を摂っている事は大切ですが、筋肉だけでなく、髪や爪、皮膚などがいつまでも若々しく、そしてしっかりと内臓機能が働く事で健康な生活を送る為にも、普段からしっかりとたんぱく質を摂取するようにしていきましょうね。
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